「天候デリバディブ」の意味や関連する保険、どんな時に使われるかを徹底解説!

天候デリバディブ(てんこうでりばてぃぶ)

この保険商品は従来の生命保険などとは考え方が違い、先物やオプションなどの投資経験者の方が詳しかったり、又は意味を聞いても納得できると思います。逆に言うなら、それぐらい一般人には縁遠く周囲に「天候デリバティブ」を知っている人は皆無なはずです。穿った見方をするなら「天候デリバティブ」に関係する仕事にでも就かないかぎり覚えてもあまり意味はありませんが、知識の一つとして身に付けてはどうでしょうか。それでは、詳しい解説となります。

天候デリバディブの意味とは

「天候デリバティブ」は、気温や湿度や台風など気象そのものを条件として売買する金融商品です。予想通りの条件になれば利益(補償金)を手にして、反対に条件外で予想が外れると損失となるものです。よって、生命保険が万が一の癌や死亡に備える保険であるのに対し、「金融デリバティブ」は暖冬や冷夏など気候に業績影響を受ける企業を守るものと言えます。そんな「天候デリバティブ」の前に、まずは投資全般について簡単に解説をします。「投資」と一言で言っても、その中には株取引や為替取引やデリバティブ取引といった種類があります。デリバティブ取引は更に先物取引やオプション取引やFX取引などの種類に枝分けされます。”デリバティブ”の英語表記は「derivative」で、日本語訳すると「〜を導き出す」「派生」といった意味になり、投資や保険業界では「金融派生商品」となります。デリバティブ取引は他投資とのリスクヘッジ、資産運用として所謂プロ投資家に好んで取引されますが、先物取引やFX取引は個人投資家でも最近は取引者が増えています。デリバティブ取引は「権利の売買」とされ、不測の事態に対処するのが本来の狙いで、将来的に価格がどうなるか分からないものを売買するものです。この事前情報を踏まえて、「天候デリバディブ」についてですが、「天候デリバティブ」はオプション取引に該当し、証券会社ではなく損害保険会社が法人向けに販売する商品です。気象変動で収益に影響を受ける法人に対し、契約条件通りになれば決済金を支払うもので、要するに悪天候に対するリスクヘッジとなる金融商品が「天候デリバティブ」です。購入を検討する法人は、例えばゴルフ場など屋外スポーツ施設運営、エネルギーや洋服を扱うアパレル関連、エアコンや冬限定商品などを扱う企業など実に多様です。これらに対し、損害保険で補う方法もありますが、保険の場合は調査があるのに対し、「天候デリバティブ」は金融商品なので、調査や販売結果などは意味がなく、契約時の条件のみで判定されます。よって、将来的な悪天候を嫌気した企業が「天候デリバティブ」を取引し、その後予想に反して業績好調、さらに「天候デリバティブ」でも利益を上げ二重の儲けとなる場合もあります。

天候デリバディブの種類

「天候デリバディブ」と類似の損害保険が扱うリスク回避商品には、以下の様なものがあります。
 ・リコール保険…商品リコールに対する補償保険
 ・海外投資保険…海外に所有する株式のカントリーリスク回避の保険
 ・為替デリバティブ…通貨を一定条件で売買する権利の契約
 ・地震デリバティブ…震災や地震による企業リスク回避

天候デリバディブの文章・例文

例文1.真夏に大ヒット間違いなしの定番商品が冷夏で不振だったが、販売元の企業は天候デリバディブの取引で損失分をカバーして問題ないようだ。
例文2.天候デリバディブとは天候や気象による変動を取引するもので大変面白い金融商品だが、残念ながら個人では取引できない。
例文3.近年は台風や集中豪雨被害が甚大ではないので、企業はますます天候デリバディブに注目している。
例文4.天候デリバディブや倒産デリバティブなど、損害保険が扱うデリバティブの金融商品は珍しいものが揃っている。
例文5.オプション取引の基本であるコールやプットを覚えてから、天候デリバディブについても理解するべきだ。
「天候デリバディブ」をより詳しく解説する例文となります。

天候デリバディブの会話例

  • 質問者アイコン

    損害保険会社のホームページを確認していたら、デリバティブ取引にも対応しているんですね!

  • 回答者アイコン

    本当に? デリバティブ取引って、証券会社だけじゃないの?

  • 質問者アイコン

    俺もそう思っていたんですけど、ほら、ここだけじゃなくて他の会社でも扱っていますよ。

  • 回答者アイコン

    本当だね。天候デリバティブなどを法人相手に扱っているね。

投資経験ある男女が、「天候デリバディブ」を損害保険会社が扱っていて驚いている会話です。

天候デリバディブの利用事例

ビール会社が「天候デリバティブ」を購入する例として、真夏になればビールが売れると予想するが、事前の数か月先の天気予報では今年は冷夏となるので、例年よりビールが売れない場合のリスクヘッジとして書き入れ時のお盆前後で25度以下が一定期間続けば補償される「天候デリバティブ」の権利を損害保険会社から購入した。これで冷夏でビール販売が鈍っても、一応は安心できる。

天候デリバディブの関連保険

「天候デリバディブ」の関連保険には、「リコール保険」「興行中止保険」「海外投資保険」などが挙げられます。

天候デリバディブの関連用語

「天候デリバディブ」の関連用語には、「倒産デリバティブ」「コール/プット」「オプション料」などが挙げられます。

天候デリバディブまとめ

「天候デリバディブ」は、天候リスクに対する企業向けの金融派生商品で、ビール会社やエアコン製造メーカー、ゴルフ場運営会社などが購入する一種の保険のようなものです。事前の条件通り天候や気温がなれば設定した金額が支払われますが、その条件に当てはまらない場合は預けた全額が没収されます。

 

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