テストエンジニアって何をする?職種の違いやキャリアパスも解説!
「テストエンジニア」と聞いて、あなたはどんな仕事を思い浮かべますか?
「ソフトウェアのバグを見つける人」や「システムが動くか確認する人」といった漠然としたイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、IT業界に深く関わっていないと、その具体的な業務内容や役割を正確に把握するのは難しいかもしれませんね。
実は「テストエンジニア」と呼ばれる職種には、さまざまな種類やフェーズがあります。
・画面操作で仕様通りに動くかを確認する人もいれば、
・テスト自動化のためにコードを書く人もいる、
・さらにはプロジェクト全体の品質を設計段階から見守る役割の人も。
この記事では、ソフトウェア開発における「テスト」という仕事の奥深さに迫ります。具体的にどのような職種が存在し、それぞれの役割がどのように異なるのかを整理します。さらに、テストエンジニアとしてどのようにスキルを磨き、キャリアを築いていけるのかについても掘り下げてご紹介します。
テストエンジニアって、実際にどんなことをしているの?
IT業界、特にエンジニアリングの世界において、「テスト」という言葉が指す役割は非常に広範です。ソフトウェア開発のライフサイクルにおいて、テスト工程は最終的な製品の品質を保証するための不可欠な要素であり、その中心にいるのがテストエンジニアです。
テスト工程の主な流れ
テスト工程は一般的に以下のフェーズで進行し、テストエンジニアはそれぞれの段階で重要な役割を果たします。
- 1.テスト計画:何をどのようにテストするかを定める
- 2.テスト設計:仕様書を読み、テストケースを作成する
- 3.テスト実行:実際に操作や自動化ツールで確認する
- 4.バグ報告と再確認:不具合を開発側に伝え、修正後を再テスト
- 5.品質評価と改善提案:結果を分析し、改善提案まで行う
このように単なる確認作業ではなく、プロジェクト全体の品質を守る最後の砦でもあるのがテストエンジニアの仕事です。
また最近では、開発のスピードと品質を両立するために、テスト自動化やCI/CDパイプラインとの連携などより技術的なスキルも求められるようになってきています。
テストエンジニア関連の職種を整理すると?
一口に「テストエンジニア」と言っても、その周辺には様々な専門性を持つ職種が存在します。それぞれの役割を比較することで、テストの世界の広がりが見えてきます。
職種名 | 主な役割 | 関与する工程 | 特徴・スキル |
テスター | 指示書や仕様書に沿ってソフトウェアの動作確認を行う | 主に「テスト実行」フェーズ | ・未経験でも始めやすい ・テストケースの理解と正確な実行が求められる |
---|---|---|---|
テストエンジニア | テストの設計〜実施〜報告までを幅広く担当 | 「テスト設計」「テスト実行」「バグ報告」など |
・テスト観点の設計力 ・開発者とのコミュニケーション能力が必要 |
QAエンジニア(品質保証エンジニア) | プロジェクト全体の品質保証活動を主導。プロセスやルールの整備も担当 | 要件定義~リリース後まで(工程全般) | ・テスト以外にもプロセス改善や不具合分析などに関与・品質全体を見る視点 |
SDET(Software Development Engineer in Test) | コードレベルでテスト自動化やCI/CD環境構築などを行う | テスト設計〜テスト実装、リリース後の自動検証など | ・開発スキル(Java, Pythonなど)が必須 ・テスト自動化のスペシャリスト |
QAマネージャー/テストリーダー | テストチームの進行管理・品質戦略の策定 | 全体工程に関与しつつ、管理・マネジメント中心 | ・進行管理、工数見積、リスク対応などマネジメント力重視 |
これらは企業によって細かい担当分野や呼称は異なりますが、一般的な呼び方として覚えておくと良いでしょう。
一言ポイント
- テスターは時によりアルバイト・派遣などで未経験者が含まれることもあり、テスト実行に特化。
- テストエンジニアは専門職として、設計〜実施まで主導することが多い。
- QAエンジニアは開発チームの一員として全体の品質管理にも関わることが多い。
- SDETは大手やテック企業でよく用いられ、エンジニア寄りの立ち位置。
- マネージャー/リーダーは、チーム組織を率いるポジション。
テストエンジニアのキャリアパスは?
テストエンジニアのキャリアは、実は非常に多彩です。
一般的には次のようなステップで成長していくことが多いです。
初級フェーズ
・テスターやテスト実行担当者として、仕様に基づいた確認作業を経験
・テスト手順の正確さ、報告の丁寧さなどが評価される
中級フェーズ
・テスト設計やテストリーダーとして、プロジェクトの一部を担う
・不具合の原因分析や、テスト計画の立案など上流工程へ関与
上級フェーズ
・QAエンジニアやSDET(テスト自動化エンジニア)として活躍
・開発プロセス全体の品質改善や、テスト自動化フレームワークの構築
・チームマネジメント、教育、プロセス改善などにも携わる
また、近年では「テストエンジニア出身のPM」や「品質保証部門の責任者」として活躍するケースも増えています。
まとめ|「不具合を見つけるだけ」が仕事じゃない
「テストエンジニア」とは単なる“バグを見つける人”ではありません。
プロジェクトの仕様を深く理解し、ユーザー体験に影響する問題を未然に防ぎ、開発と運用の橋渡しを行う重要な存在です。
本サイトでは今後、テストエンジニアに関わるキャリア情報やノウハウ、テスト設計のコツ、自動化ツールの紹介など、現場で使える知見を多角的にお届けしていきます。ぜひ今後の記事にもご期待ください。