過失割合(かしつわりあい)
交通事故が起こると、加害者の責任が問われ、その責任に対して賠償金を払いますが、被害者側にも落ち度があるとき、公平性の観点から加害者が損害の全てを負担するのは不適切だとされています。そのようなときに、公平性の観点から加害者と被害者の事故に対する責任の割合、つまり過失割合という考えがあります。
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過失割合の意味とは
事故の当事者双方における、交通事故に対する責任の割合のことです。この割合に応じて、損害賠償額を払うことになり、過失割合が大きいほど、損害賠償額は大きくなります。逆もまた然りです。割合は30:70や50:50などと表し、その割合に応じて、加害者は賠償額を減額することができます。警察は民事不介入の原則により、通常は当事者双方のそれぞれ契約している保険会社を通じて話し合い、過去の判例をもとに過失割合を決定します。
過失割合の種類
過失割合は、事故のパターンに応じた基本過失割合が設定されており、それをもとに保険会社が決定します。過失割合が50:50の場合、「過失相殺」といわれています。
過失割合の文章・例文
例文1.過失割合は基本的に過去に起こった事故をもとに決定される。
例文2.加害者は、その過失割合に応じて賠償額を減額される。
例文3.民事不介入の原則により、警察が過失割合を決めることはないが、間接的に口出しをする場合がある。
例文4.過失割合は、双方の保険会社が決定するが、保険会社の言いなりになる必要はない。
例文5.不当な過失割合を避けるために、ドライブレコーダーなど証拠能力があるものを搭載するのが良い。
過失割合は、基本的に保険会社が決定しますが、間接的に警察が関与するケースもあります。
過失割合の会話例
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先輩!大変です!昨日の交通事故なんですけど、相手側の保険会社から、僕たちの過失が100だと通知がきました!
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それはあまりにも不当な過失割合じゃない?双方の不注意で起こった事故なんだから100はありえないよ。
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ですよね!この場合ってどうすればいいんでしょうか。
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もう一度、こっちの保険会社に聞いてみよう。必要なら警察にも相談してみるわ。
相手側の悪徳な保険会社から提示された不当な過失割合を避ける為、決して同意のサインを行わないことが大切です。
過失割合の利用事例
事故のパターン別に過失割合があり、大きく分けると
(1)歩行者と自転車の事故
(2)歩行者と四輪車の事故
(3)自転車と四輪車の事故
(4)二輪車と四輪車の事故
(5)四輪車同士の事故
(6)高速道路での事故
があります。例えば(2)歩行者と四輪車の事故のパターンで、歩行者が青信号の状態で横断していたところを、車が赤信号で進入し、接触事故を起こした場合は加害者と被害者の過失割合は100:0とされ、加害者が賠償額の全てを負担することになります。
また(5)四輪車同時の事故のパターンで、二車線を走行中に、A車が進路変更を行った結果、もともとその進路を走っていた後続B車と接触事故を起こした場合は、後続B車は、合図などで前方にいるA車の進路変更を予測できるとされ、前方不注意に対する過失が認められ、A車とB車の過失割合は70:30とされ、A車は賠償額の3割を減額されます。しかし、あくまでも基本過失割合なので、例えば、A車の合図の出し忘れなど、様々な要素によって過失割合は大きく変わります。
過失割合の関連保険
過失割合は双方の保険会社が話し合って決定するので、自動車に関する保険であれば、基本的に適応されます。
過失割合の関連用語
過失割合の関連用語には「過失相殺」があります。
過失割合まとめ
過失割合は、双方の、事故の責任に対して保険会社が決定しますが、中には加害者や被害者の無知につけ込み、不当な過失割合を決める者もいます。必ずしも保険会社の言いなりになる必要はなく、伝えられた過失割合や賠償額に不満や疑問があれば、保険会社もしくは弁護士に相談するべきでしょう。
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